駒 ヶ 岳 大 沢 「南北海道山岳遭難夏山救助訓練」
 平成22年10月9~10日

メンバー 会員2名他14名

 10月 9日 曇
13:50函館出発。14:35ネイパル森着。ロビーで参加者の集まるのを待つ。15:50開会式。15:55から研修室にて携帯担架作成訓練,ロープ結束操作訓練を実施する。その後道警救助隊の救助器具(滑車,各種制動器等)の使用方法等について説明を受け,使用方法の実技訓練等を実施する。救助用で安全対策の器具も多いので使用方法をマスターするには,かなり練習する必要が有ると実感する。17:00よりネイパル森の宿泊等についての説明を受ける。
 17:30~18:0夕食。研修施設としては食事の内容,質,共に良いと思われる。部屋で歓談し過ごし20:00~22:00食堂にて懇親会。顔なじみメンバーも多く,道警救助隊員,事務職員,参加各山岳会メンバーと懇談しながら楽しく過ごす。22:10私は就寝。他のメンバーは24:00頃まで2次会をやっていたようである。


ネイパルの森での朝食

小雨の中大岩からの下り

大沢からの下り

 10月10日 霧雨
 6:30起床。外は雨が降っていないが,天気予報は雨である。7:30朝食。部屋の掃除整理をし,昼食の弁当を受け取る。8:30登山口へ出発。8:42若駒園別荘地最奥部登山口着。雨は降ってないが今にも降り出しそうな状況である。8:50出発。直ぐ先の未舗装の道に下り緩やかに登る。9:00車止めを潜る。砂防ダム右岸への作業道が左手に有りこれに入り進む。進む正面に雲に上半分が包まれた駒ヶ岳が望まれる。紅葉黄葉はまだ始まったばかり。右手に約20以上有る砂防ダムを見ながら作業道を歩く。道にはカワラハハコ,ムシトリナデシコが咲いている。9:20砂防ダム最上部通過。ここからが大沢へ入るコースで刈分けの有る道を進む。針金が2本張られた泥流センサーを2箇所潜り進むと道は無くなる。
 9:25~30高度510m付近で小休止。ここからブッシュ漕ぎとなるので雨具上下を着用する。小さな枯れ沢状の中直ぐに泥流センサーを潜り,濡れた草,木のブッシュを漕いで小さな上り下りをして進む。次第に岩壁が迫り両側が狭くなった函状の中を登る。2m以上のイタドリを掻き分け急斜面を登る。沢状の中は大小のゴロ岩が多く一歩一歩高度を上げる。9:50函状を抜け相変わらずの草木のブッシュを漕いで登る。沢底を登るより右岸の登りが多少ブッシュが少なく,また岩も少なく登り易い。次第に高度を上げ右手に沢状を見ながら登る。10:05高度650m付近で沢状を抜ける。2m程の落葉カラ松に似た針葉樹の中を,右手に沢状の地形を見ながら登る。砂と軽石のガレで多少足元は崩れ易い。高度を上げるにつれ樹木は少なくなり,樹高も1m程となる。天気は霧雨となり多少風も強くなってくる。左手に函中コース尾根下の岩壁が雲の中に薄く見えたりする。

遭難者の救助訓練

 10:25高度750m付近大沢中間部の大岩着。上部からの風が強く岩陰で休憩。右岸の急斜面で救助訓練を考えたが霧雨と風の為寒さを感じ,長く休んでいられない。協議の末下山途中の斜面で救助訓練をすることに決定。行動食,水分補給で休憩する。10:40下山開始。視界の悪い霧雨の中,登ったコースからやや上のコースを辿り下る。
 11:00から高度640m付近の多少急な斜面で立木にロープ,滑車,制動器をセットし仮想遭難者の吊り上げ,吊り下げ訓練を実施する。道警救助隊員の指導により,参加者それぞれが引き揚げ者,仮想遭難者等になり実習訓練を受ける。天気状況が悪い中での訓練となり約30分で終了する。
 11:35下山開始。枯れ沢状の中ブッシュを漕いで下る。12:003箇所の泥流センサーを越る。
12:05砂防ダム最上部通過。右岸の作業道を黙々と下り,12:25若駒園駐車地点に下山。13:00まで各自の車の中で昼食を取る。13:02閉会式。13:05現地にて解散。13:55函館着。
現在駒ヶ岳は決められた登山コース以外は登ることが出来ません。南北海道遭難防止対策協議会が,特別に入山許可を受け救助訓練を実施しました。あいにく霧雨~小雨の天気状況で訓練は多少縮小されました。本番の遭難発生では天気状況には関係なく,救助活動は実施しなければなりません。どのような条件の中でも活動出来,救助出来る体力と技術の保持,さらに経験を積んでおく必要があると実感しました。             (N記)

     

inserted by FC2 system