大 千 軒 岳 (知内川コース)
 平成22年7月10~11日

メンバー 会員7名

  7月10日 雨後曇 
 15:00亀田支所出発。16:15千軒登山者休憩所管理人Aさん宅に立ち寄り鍵を借りる。16:20休憩に荷物を搬入する。予定では奥二股駐車場にテント設営であったが,14:00頃まで小雨であり幕営地が濡れていることを予想し小屋泊まりとする。16:40より各自持ち寄りの料理で,玉子スープを作り,ビール,ワイン,焼酎等を飲みながらの夕食となる。今日は新人2名が来ており和気藹々と話をしながら楽しく過ごす。20:00頃北海学園大山岳部OBのWさんが来て飲み歓談する。21:00就寝。


千軒登山者休憩所

登山口

奥二股橋

 7月11日 曇後薄日
 3:50起床。4:10朝食。Wさんは4:20頃トレイルランのスタイルで走って出発。部屋の掃除をし4:30休憩所出発。Aさん宅に寄り鍵を返却する。4:55奥二股駐車場着。途中で抜いたWさんは5:00頃先行して行く。5:10出発。奥二股沢の木製の橋を渡り,知内川右岸の道を進む。途中の岩場のヘツリでOTさんが落ちそうになり途中で止まり引き上げる。以後慎重に行動することになる。新道の高巻き道を上り下りをして進む。5:38狭戸から高巻き道を登る。河床から50~60m程のトラバースしながら,ブナ,ナラ等の樹林帯を進む。途中にはツルアリドウシが多く咲き,ツクバネソウ,アオチドリ?が少し咲き,オニノヤガラ1本見つける。トラバースは小沢を上り下りしながら進む。5:41,5:50,5:54,5:57,6:02に小沢を次々と越える。次第に下りとなり6:10湿地に出る。エゾアジサイ,オオウバユリ,ミヤマトウバナの咲く道を進む。6:20広河原入口通過。渡渉できる場所を探しながら進み,石を投げ入れ足場を作り6:30左岸へ渡渉する。開けた場所で6:40まで休憩。


ギンリョウソウ(銀竜草)

エゾクガイソウ(蝦夷九蓋草)

大河原で小休止

 ここからは左岸の草の被った道を進む。途中エゾノタツナミソウが3本咲いている。6:50岩場をヘツリ直ぐに右手カラの小沢を通過。小さな高巻きを2回しながら進む。草刈りが行われていないので太股まで雨露で濡れている。7:12標識の有る石崎越えの沢通過。天気は次第に薄日が差す様になり,ブナ,ナラ等の樹林帯の中の緩やかな道を歩く。7:28小沢通過。7:35下の十字架(金山番所)着。行動食を取り水分補給で小休止。付近にはオドリコソウが僅かに咲いている。天気は上がりこれから登る中千軒の稜線が薄いガスの青空に眺望出来る。気温は高くなり大汗をかいている。1人で走って先行して行ったWさんが下山してくる。頂上はガスで下り始めて晴てきたとの事。驚異的な速さに驚き感心する。
 記念写真を撮り7:55出発。ウツボクサの咲く樹林帯を進み8:00灯明越えの沢に出て対岸に飛び石で渡渉し,上流のに30m程登る。オレンジテープ標識が付けられている。踏み跡に出て急な尾根を登り尾根上を進む。実を付けたギンリョウソウが多く見られる。次第に下りとなり8:07キレット沢出合に下る。右手の知内川本流に入る。ここも踏み跡が有るが草が被っている。オレンジテープ標識が付けられている。70~80m程遡り8:10左手の尾根に取付く。ブナ,カエデ等樹林帯の急登をぐいぐいと高度を上げる。ジグザグを切ったり直線的に登ったりで木の根等を手掛かりに高度を上げる。


エゾノタツナミソウ(蝦夷立浪草)

知内川を遡る
金山番所

 8:40休み台640m付近で小休止。ここは尾根上での唯一の平坦地である。疲労が出てきたメンバーもおりオネルギー補給をしながらのんびりと休憩する。9:00出発。ここからも樹林帯の急登が続き約770m~800mは根曲りを開削した新道を登る。10cm程の切り口が道に出ており歩きにくい。次第にダケカンバ樹林帯となり根曲り刈分け道を登る。ガンバリ岩を通過し,フィックスロープの有る簡単な岩場を登る。日当たりの良い部分にはノゴウイチゴの赤い実が沢山有り,つまみ食いをしながら登る。中千軒稜線は薄いガスだが確認できる中を登る。道の両側にはハナニガナ,シロバナニガナ,ヤマブキショウマ,ハクサンボウフウは多く咲き,ヨツバヒヨドリ,ヤマハハコ,ハイオトギリ,モミジカラマツは咲き始めたばかりで僅かである。やがて920m付近から裸地を登ると中千軒平手前のお花畑に出る。沢山のイブキトラノオ,ムカゴトラノオ,終わりに近いエゾカンゾウが咲き,タチギボウシ,トウゲブキは蕾である。
 10:00~10全員十字架の有る中千軒平着。大千軒岳はガスの中で見えないが手前の1000mのコブは見える。付近にはツリガネニンジン,ヨツバシオガマ,ミヤマアズマギクが僅かに咲き,ノギランは多いが蕾でイブキトラノオ,ムカゴトラノオ,終わりに近いエゾカンゾウは沢山咲いている。登りに5時間かかっており,下山も同じ時間がかかることが予想され,頂上は断念する。多少風が有り寒いがここで昼食を取りのんびり休憩する。記念写真を撮り10:45下山開始。


休み台

ガンバレ岩の上部

920m付近のガレ場

 草の被ったお花畑を歩き,裸地から狭い根曲り刈分けを下る。フックスロープの箇所も慎重に下る。11:50~12:00休み台にて小休止。ここからは急傾斜で慎重に下る。しかし沢の音が聞こえ始めた地点でNTさんが足を踏み外し,左手の斜面を4~5m程転落し立木で止まる。幸い大きな打撲等は無く頭も大丈夫との事。更に慎重を期して急な下りを下る。12:33キレット沢出合通過。尾根を越えて12:52灯明越えの沢通過。13:03~13下の十字架(金山番所)で小休止。岩のヘツリ慎重に通過し14:05~20広河原にて休憩しエネルギー補給。ここにはエゾクガイソウ,ナンテンハギが咲いている。メンバーに疲労が出ており高巻き道,岩のヘツリを慎重に下る。15:40~16:00奥二股駐車場全員下山。温泉入浴は断念し16:10函館へ出発。17:50函館着。


中千軒平の十字架

中千軒平

下山時に姿を現わした大千軒岳

 休憩も含め往復約11時間の行動となりました。頂上はガスでしたが,天気に恵まれなんとか千軒平を往復できました。事故になる手前の状況が2度発生しましたが,幸い大事にはなりませんでした。知内川コースは沢の岩のヘツリ,狭い高巻き道,急な狭い尾根道と気を抜くと事故に直結する箇所が有ります。漫然と行動することなく,水分補給,エンルギー補給,コース判断等に緊張感を持って行動することが事故防止になります。     (N記) 

○ コース概念図(N氏提供)

     

inserted by FC2 system