遭難対策協議会夏山遭難救助訓練(大千軒岳知内川コース)
平成20年9月20~21日

メンバー: 函館山岳会:5名,函館山の会:1名,ビルゴ山岳会:1名,北海道警察山岳救助隊他7名,総計14名 

 9月20日 晴
 13:15五稜郭出発。14:30福島町地域活性化センター(あずまーる)着。15:00より開会式。15:15より駐車場にて訓練開始。まず基本のロープの結び方について,道警救助隊員の説明を受け,各自練習をする。8の字結び,フィッシャーマン,ダブルフィシャーマン,インクノット,プルジューク,ミッテルマン,テープ結び,ブーリン等の特徴,欠点等の説明を受けながら練習する。さらに結び目にカラビナを噛ませ,加重が加わった時に解き易くする方法等を練習する。その後カラビナ,制動器,ユマール等使用によりチロリアンブリッジロープの張り方等,さらに滑車,制動器,ユマールを使用しロープで吊り上げ,吊り下げを練習する。16:50訓練終了。
 あずまーる大広間で歓談して過ごす。18:00より夕食。ビール,ワインを飲みながら,仕出し弁当,豚汁での夕食兼懇親会となる。救助隊員,山の会のメンバー等とそれぞれの山の経験体験談,救助活動での経験体験談を話したりして過ごす。我々は21:00就寝。

ロープ訓練 広河原にて 知内川左岸を登る

 9月21日 曇
 5:30起床。Oさんは4:30頃には到着していたとの事。5:50より朝食。6:35出発。6:55奥二股登山口駐車場着。7:00ビルゴ山岳会合流。
 7:05行動開始。奥二股沢の橋を渡り知内川右岸を進む。直ぐに砂防ダムを越えて沢沿いの道を進む。途中岩の簡単なヘツリしたり,新たに付けられた10m程の高巻き道を進む。コガネギク,キツリフネ,ミズヒキ,キンミズヒキ,ノブキ,エゾアジサイ,サラシナショウマ,エゾゴマナ等が花の終わりに近い状況でポツポツと咲いている。湿った岩場にはダイモンジソウが数多く咲いている。木々の葉はまだ緑で本格的に秋の状況になっていない。
 7:23狭戸通過。ここから右岸の高巻き道を登る。ブナ,ナラ等樹林帯を小沢を登り下りしながら,トラバース気味に進む。7:26,7:31,7:35,7:37,7:39と小沢を通過し緩やかに下り,広河原手前の湿った道に出る。最近雨が無い為乾燥している。
 7:50広河原入口着。飛び石と丸太で左岸へ渡渉。7:53~8:00小休止。風が無い為蒸し暑い。左岸の良く草刈りが行われた道を進む。岩をヘツリ8:11滝状の小沢通過。高巻き道を登ったりして8:20石崎声の沢通過。8:37~45下の十字架(金山番所)にて小休止。8:50灯明越えの沢に出て50m程遡り左の尾根を登る。緩やかな尾根をトラバース状に歩き緩やかに下る。8:55キレット沢出合に出る。右の本流を上る。草の茂った踏み跡を50m程登ると次第に左の尾根に取り付く。9:00ロープの張られた急斜面着。ここで救助訓練を行うこととする。

金山番所 吊り上げ吊り下げ訓練 吊り上げ吊り下げ訓練

 9:15より訓練開始。ブナの大木を支点に取り,ロープをセットし制動器を利用し,安全ベルトと負傷者を背負うベルト着用し,仮想負傷を背負っての吊り下げを行う。1本のロープを背負った人を確保しておろすのは,負傷者が振られる等で安定しない。30m程下り,滑車,ユマール,制動器利用で吊り上げる。やはり背負った負傷者が振られ安定しない。この訓練を4回程練習する。最後は負傷者背負いベルトの上部のワイヤーにロープをセットし背負い者,負傷者それぞれ確保して吊り下げ,吊り上げを行う。負傷は揺れず安定するが,2本のロープを同じように張るのが難しい。本救助隊の装備は新しい物が多く,救助を主として考えられたものが多い。我々は事故が発生した場合,シュリンゲ,カラビナ,エイトカン,ロープ等必要最小限の装備で,初期救助を行う必要があるので,その訓練も必要と思われる。10:30訓練終了。装備回収後,キレット沢まで下る。
 10:40~11:00キレット沢出合にて昼食を取り休憩する。11:02下山開始。11:13金山番所通過。11:40広河原右岸に渡渉し,11:55まで小休止。来た道を戻り高巻き道を登る。狭戸に下り右岸をヘツリしたり,高巻きを道を登り下りをして下る。
12:40~45全員駐車場に下山。12:55閉会式及び講評。13:00出発。13:20~25あずまーるにて車回収。13:35知内温泉着。13:40~14:40入浴。入浴料430円。15:00まで休憩室で行動食を取り,水分補給をしながら休憩し,函館へ出発。メンバーを送り,16:25函館空港へSさんを送る。

広河原の渡渉 枯れ木にいたアオダイショウ 奥二股登山口

 今回は参加者が少ない中での訓練となりました。大勢の中での訓練より,少数での訓練はより身近で体験,参加出来たので,参加者には良い訓練となったと思います。当会での訓練は近年実施してないので,今後は沢登り訓練も兼ねて実施しなければと思います。 (N記)

 

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